会長挨拶

学び合い相互に高め合える教育会を目指して
木曽教育会長 宮坂寛(福島小)
各校研究主任の先生方から、気軽に研究成果をシェアしたり交流したりできるプラットホームが欲しいといった意見が出されたり、社会科同好会の先生方から、郡内の小中学生に配布している社会科資料改訂の時期にあたるが資料のデジタル化ができないかとの意見が出されたのを契機に、令和5年度から木曽教育会のホームページのあり方を研究する「あり方検討委員会」を組織し、ホームページ立ち上げについて検討をしていただきました。更新にあまり経費がかからず、会員の意見を取り入れながら必要な情報を掲載する方向で代議委員会の承認をいただき、ようやくこうしてホームページ実現にいたりました。
毎年夏に開催される木曽夏期大学の情報や、石井鶴三先生の研究者で今年も夏期大学で講演いただく北海道教育大学教授 福江良純先生の情報など、今後も内容の充実をしていきますのでどうぞご利用下さい。
さて、今年度の木曽教育会総集会は、郡町村会、郡町村教委連絡協議会、郡校長会など各方面の皆様のご理解とご協力のもと、第139回木曽教育会総集会を5月16日金曜日の普通日に開催することができました。当日は音楽同好会と有志の先生方による開会の音楽として、戦後80年に相応しくカンタータ『土の歌』の終曲「大地讃頌」の混声合唱、会場全員による島崎藤村先生の「朝」の歌につながり、清々しい気持ちで総集会を開始できましたことに心より感謝申し上げます。
いよいよ来年度、日義中学校と開田中学校の木曽町中学校への統合を迎え、郡内の小学校は9校、中学校は5校、木曽養護学校を含め学校数は15校になります。私が初任として上松小学校に赴任した平成元年は、郡全体で30校でしたので比較すると半数になります。この間には学習指導要領の改訂、指導教科や教科の指導時数変更、加速度的に進んだICT機器の導入といった様々な変更や、少子化による学校の統合や職員数の減少する中において、新たな考え方による先進的な実践への挑戦、その成果や意味づけを学ぶことに私達は取り組んできました。そんな中、私達が大事にしてきたことがありました。
県下各校に赴任され、晩年、信濃教育会研究所 副所長を務められた牛山栄世先生は、ご自身の担当した一年生がヤドカリとの関わりの中で成長する姿を「ヤドカリで遊ぶ ヤドカリと遊ぶ ヤドカリになる」という言葉で表現されました。
ヤドカリの水泳と称して水に沈めたり、プリンカップのロープウェイに乗せたり、埋まるほどの砂をかけてみたりする。自分の関心やおもしろみによってヤドカリを扱う姿。
ヤドカリの居場所に石が置かれ、棒が立てられ、水が入れられるシチュエーションをつくり、ヤドカリに思いをかけ始める姿。
教室の中に3メートル四方の木製の箱を置き、深さ30センチ程の砂を敷き詰めたヤドカリ広場で、自由に動き回る自分達のヤドカリをじーと見守る姿。
自分本位の関わりから、相手に寄り添う意識が芽生え、自分自身がヤドカリに同化して行く子ども達を「ヤドカリで遊ぶ ヤドカリと遊ぶ ヤドカリになる」という言葉で表現されました。先生は相手意識の芽生えと深まりにつながる子どもの変容に、じっくりと向き合うことの大切さを示して下さいました。私がご一緒した2年間、子どもの言葉や行動に秘められた意味をどう解釈するか、仲間とじっくり話す機会を大事にしてくださいました。牛山先生は「学ぶということ」 という詩を書かれています。
学ぶということ。それは、
誰のものでもない「私」の問いを生きること
その問いによって、更なる問いを生きること
そのようにして、ものごとの奥行きにふれること
【詩には続きがありますが、ここでは略します】
今年度各校で行われる授業研究会の予定が示されますが、私たちにはその他にも職能向上を目的としてお互いの実践を持ち寄り、子ども達の成長を確認したり、専門分野の知見を深めたり、希望すれば実際に県外へ研修に赴く機会があります。また夏期大学や総集会の講演会のように第一線の講師から、自らを見つめ、問い直す機会もあります。私達は縁あってこの地で木曽の子ども達の健やかな成長を願い、日々子どもと向き合っています。木曽教育会は信濃教育会とともに、子ども達の事実に向き合い、子ども達同様に自ら学ぶ機会を大切にする先生方と共に歩みたいと考えています。そして諸先輩方、そして私達自身が大事にしてきた子ども達の学びを仲間と共に見つめることを、これからも大事にしたいと思います。
地域の未来を担い文化を受け継ぐ子どもたちに確かな学力をつけ、心豊かな人となるよう、私達も学び合い相互に高め合える教育会にしていきましょう。
組織
| 会長 | 宮坂 寛 | 福島小学校 |
| 副会長 | 岩原 浩司 | 木祖中学校 |
| 理事 | 手塚 幸宏 | 南木曽中学校 |
| 理事 | 小林 博樹 | 大桑中学校 |
| 理事 | 長谷川 松実 | 木祖小学校 |
| 監事 | 神山 明彦 | 木曽養護学校 |
| 監事 | 小林 孝基 | 大桑小学校 |
| 幹事 | 清水 なるみ | 木祖中学校 |
| 幹事 | 加山 雅康 | 王滝小学校 |
| 幹事 | 鬼頭 康 | 上松小学校 |
| 事務局 | 上田 宏志 | – |
| 事務局 | 上垣外 澄子 | – |
基本方針
- 木曽教育会130年を経過し、創立の精神を継承し、会員の協力ときずなを強め、事業を通して、本会の目的の達成に期する。
(本会の目的)
会員一体となって教育精神を高揚し、教育の刷新とその充実を図り、ますます郷土文化を開発し、もって平和日本の建設と世界文化の進展に貢献すること。 - 各学校職場の自主的な研修の基盤に立ち、その協力のもとに本会の目的に照らし意義ある事業、ならびに21世紀を生きる子どもに生きてはたらく事業の充実を図る。
- 各事業は、会員の要望並びに同好の集まりの良さを生かす方向で広げ、会員の熱意に期待し、清新にして闊達の気あふれるよう運営する。
- 各種の事業研究調査の委員会は、「21世紀に生きる力を育む木曽教育の創造」に立つ研究体制にのっとって活動を推進する。委員等は、幅広い会員の参加を得るように年齢・性別・学校等に偏りのないよう配慮する。
- 教育会の目的にそって、郡的な文化活動推進の役割を担い、関係機関と提携して教育精神の高揚と教育の進展を図る。